私はダメな人間じゃない!

心のはなし

 

「何をやってもうまくいかない….」、「こんな自分が嫌だ!」、「私ってダメだな~」って思っているあなた。何度もミスをする、何事も長続きしない、人とうまく付き合えない、などなど理由は様々だと思います。
誰だってそんな時、ガックリきて自分を否定したくなるのは当然のことで、そう思うこと自体は何も悪いことではありません。
逆に、自分を否定したくなる心情は、「本当はちゃんとできる自分がいるのに…」、「次は絶対うまくやろう」、「よし、今度こそ」といったプラスの気持ちの裏返しかもしれません。

肝心なことは ”ダメな自分” といった感情を長引かせることなく、気持ちを切り替えて冷静に自分を評価して、自分の能力を引き出していく作戦を立てながら現実に向き合っていくことなのです。
今回はそういった方法をポイントで解説していきます。あなたの生きるヒントになれば幸いです。

自分の力を過小評価しない

多様な人々が生きている人間社会の中では、当然、自信たっぷりで優越感にひたれる人々もいるでしょう。でも、多くの人が日々の不安と闘いながら生きていて、時には自信を失う体験もしています。
では、「立ち直りが早く前向きに生きていける人」はどこが違うのでしょう。そうした人の性格の傾向を下に挙げてみました。
・ 人と比較しない(自分は自分という考え方で、うまくいかない自分のことも認められる)
・ 自分が持っている能力や自分の性格の長所に気づいている(まだ発揮できていなくても)
・ 自分の行動や生活を変えることができる(自分が良くなるために新たなことを始められる:変化をおそれない)
・失敗をおそれて立ち止まらない(もしうまくいかなくても必ず意味があると信じる)
・「生きること=自分の道を前に進むこと」と理解している(振り返っても何もない)

さて、上記の「自分が持っている能力や自分の性格の長所に気づいている」についてですが、自分のことを一番深く自己分析できるのは、世界中で ”あなた自身” しかいないと思います。当然、生まれてからの歳月をずっと見てきているのは”あなた”なのです。ほかの誰もあなたを全て知っているわけではありません。

そのあなたが、「自分には何も良いところがない」と断言していいのでしょうか。そもそも、今を生きているということ自体が生物学的にも奇跡的なことなのです。何回も病気になったとしても、自分の体や気力がそれを乗り越えてきたからこそ今があるわけで、闘って病気に勝ってきたという歴史があるわけです。
同じように、自分が気づいていないだけで、性格面での長所や何か光る才能を皆必ず持っているのです。

「自信」という心の根っこを育てよう

よく、”自信=自己肯定感” は木の根っこに例えられます。自分を信じる力が強いほど、太い木の根っこが地中にしっかりと張っており、強い風が吹いても倒れることがありませんし、逆に根っこが細く小さい木だと、少しの風でも折れてしまいます。

では、どうやれば太い根っこを育てていけばいいのか。そのためには、正しい順番をたどっていくことが重要です。まず、しっかり根っこを張る➡それによって養分が地上の幹や葉に行き届いていく➡その幹や葉からの養分が根っこを太く伸ばしていく という繰り返しによって強く大きな木になる というわけです。

つまり、はじめから地上の木を大きく、きれいに見せようとすると、根っこがひ弱でグラグラした倒れやすい木になってしまうことです。まずは、ひたすら地中に向かって根っこをしっかり張っていけばいいのです。あせる必要はありません。「人に見せる木」になるのではなく、「自分が安定する(安心できる)木」になりさえすればいいのです。

”根っこを強くする”ためのひとつの方法、それは自分自身を褒めることです。これまで自分自身を言葉にして褒めることは少なかったと思いますが、できれば、「私は○○についてとても苦しんでいたけど、○○を○○することで乗り切れた。そのことはスゴイと思う」と声に出したり、書いてみるなどしてください。きっと、自分に対して新鮮な感情を抱く機会になるでしょう。

”人生の主人公は私”という覚悟を持つ

はじめに「人と比較しない」ことも大切と書きましたが、人は生まれ育った環境、生来の性格、考え方、細かく言うと遺伝子レベルの根底から全く違うのです。そういう他の人と一律に比較する意味はありません。

そもそも、比べるという作業には、「自分に足らないもの探し」、「人の優れたところ探し」の傾向がつきもので、決してプラスにはならないことが多いです。
そのために、人生の大切な時間を割いていいのでしょうか。時間を使ってますます自分を否定する作業をしているようなものです。「人は人。私は私。」と、しっかり恐れず自分と向きあいましょう。

 

あなたには、あなたしかない個性や特徴があり、あなたにしかできないことがあります。他の誰もがあなたの生き方を真似しようとしてもできない。あなたは貴重な存在なのです。

これからあなたがすべきことは、「自分を知り、自分を高め、自分を生きていく」ことなのです。
その覚悟ができたときに自分の進むべき道がはっきりと見えてきます。
あせらないで、自分自身について、そして生き方について、ひとつひとつ丁寧に考えていきましょう。

習慣を変えてみよう!

さあ、もしあなたが、”自信をつけていくために、日々の生活で具体的にどんなことをすればいいの?” とお考えならば、以下のことを心がけてみましょう。きっと、やってみる価値があります。
① 朝、鏡の前に立ち、満面の笑みをした自分を10秒間見つめる
② そのあと、ゆっくりと一声一声区切りながら、「私は、私に生まれた。だから、今日も、私を生きていく。」と自分に話しかける
③ 鏡の自分の目をしっかり見ながら、大きく、ゆっくりとうなずく

始めは違和感を感じるかもしれませんが、慣れてくればきっとあなたの心のパワーが増えていくことを感じると思います。是非、やってみてください。

そのほか、日常で気を付けるべきことは、否定形のことばをつぶやいてしまった時、言い換えるクセを付けていけばよいと思います。
例えば、
× また、失敗してしまった。どうせ、何をやってもダメな私だ。➡ ○ 失敗した。でもそのことで分かったことがある。次の目標がはっきりしてきた!
× あんな事しなければよかった。きっと嫌われているだろうな.. ➡ ○ 自分なりに考えてやったこと。人がどう思おうとかまわない。これからも自分を信じていくだけ。
といった感じでいけば良いのです。

色々述べてきましたが、あくまでも、常に前向きに、自分の生き方を見つけていくことが大切です。
先ほども書きましたが、”自分”は、この地球に”自分”として奇跡的に生まれ、これまで”自分”を生きてきて、そしてこれからも”自分”を生きていくことしかできない、唯一の存在であることを忘れないようにしましょう。

 

 

メンタルヘルス・キャリア形成カウンセラー。
これまで1000人余りの方々の心の声をお聴きしてきました。皆「自分らしく、より良く生きたい」と願っています。そうした思いを少しでも応援できればと思っています。

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